
今現在、自然災害は世界のどこかで起こっている。
台風・ハリケーン・サイクロン、山火事・崖崩れ・土石流、噴火・竜巻・洪水、そして、地震に津波。
それらは、10日前にも、10年前にも、10世紀(1000年)前にも起こっていたし、10日後にも、10年後にも、
10世紀(1000年)後にも、世界のどこかで必ず起こり、多くの人々の生命や財産を奪う災害を起こす。
自然災害に遭遇した被災者はその被害と、それからの復興を語り継いでいかなければならない。
広く世界の隅々まで、長く時代の続く限り、災害からの活きた教訓を語り継いでいくことが、
これからの被害を軽減し、復興の足取りの指針となる。
それが、防災・減災そして復旧・復興への最も基礎的な第一歩であると、私は信じている。
国際防災・人道支援協議会(DRA)と兵庫県は、2004年2月8日神戸で「国際防災・人道支援フォーラム2004」を
開催し、市民レベルで「大災害を語り継ぐ」ことの重要性や有効性について国際社会へ提言を行った。
翌2005年 1月18日、日本の多くの自然災害被災地から、世界各地の災害に遭遇した国から、
阪神・淡路大震災10周年を祈念して神戸に参集し、「国際防災・人道支援フォーラム2005」を開催し、
「被災者の視点から『大災害を語り継ぐ』ことは、これからの災害で被災者を
少しでも減らすことにつながっていく」と提言した。
その後、各国との連絡を続け、2006年1月20日に再び神戸に集まって、設立総会を開き
「世界災害語り継ぎネットワーク TeLL-Net」を発足させた。
世界の自然災害への備えは、未だ全く脆弱である。
その防災・減災への取り組みを「語り継ぎ」という形で、世界レベルでネットワークすることが、
このTeLL-Netの使命であり、世界各地の市民連帯という形でのネットワークが目標である。
2007年11月 小林郁雄 (世界災害語り継ぎネットワーク TeLL-Net 事務局長)
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